国連の6機関のトップは8日、パレスチナの人々に食料や物資が届くように世界の指導者たちに緊急行動を求めた。これに続いて国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区への物資の搬入を全面的に遮断し、イスラム組織ハマスとの戦闘を再開したことで、「援助が枯渇し、恐怖の洪水が再び起きている」と述べた。
グテーレス氏はまた、「ガザは殺戮(さつりく)の場であり、市民は終わりのない死のループに陥っている」と指摘した。
これに対し、イスラエル外務省は、ガザには十分な食料があると主張し、グテーレス氏を「イスラエルに対する中傷を広めている」と非難した。
イスラエルは、今年1月に合意した停戦の第1段階が終了した直後の3月2日にガザを封鎖した。ハマスは、イスラエルが約束を守らなかったと非難し、同国が求める第1段階の延長を拒否した。
その後、イスラエルは3月18日に空爆と地上攻撃を再開した。ハマスが運営するガザの保健省によると、それ以降に1449人のパレスチナ人が殺されている。イスラエル軍は、民間人を標的にしていないと主張している。
●「市民を保護せよ」と国連6機関
この日、共同声明を発表したのは、国連人道問題調整事務所(OCHA)、国連児童基金(ユニセフ)、世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)、 国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)の6機関。
共同声明は世界の指導者たちに対し、ガザ地区のパレスチナ人に食料や援助物資が届くよう緊急に行動する必要があると訴えた。
声明は、ガザの住民が「再び閉じ込められ、爆撃され、飢えている」と指摘。
一方で、「直近の停戦では、470日間の戦争における爆撃、妨害、略奪によって供給が阻まれていた救命物資が、60日間でガザのほぼ全域に届けられた」と述べた。
ただ、「これによって短期間の休息が得られたが、ガザのすべてのパレスチナ人に十分な食料があるという主張は、現地の実情とはかけ離れており、物資は極端に不足している」とした。
現在、封鎖の影響で、国連が支援するパン屋はすべて閉鎖され、市場にはほとんど新鮮な野菜がなく、病院では鎮痛剤や抗生物質が配給制となっているという。
声明はまた、ガザの「部分的に機能している医療システムは対応し切れておらず、必要な医療用品や外傷用品が急速に不足している」とし、次のように強調した。
「イスラエルによるガザ封鎖が2カ月目に入る今、国際人道法の基本原則が守られるよう、世界の指導者たちに対し、断固として、緊急に、そして決定的に行動することを訴える」
「市民を保護せよ。援助を促進せよ。人質を解放せよ。停戦を再開せよ」
グテーレス氏は記者団に対し、イスラエルは占領国として、食料や医療品を住民に届ける義務が国際法上あると述べた。
また、「現在の道は行き止まりであり、国際法と歴史の目には全く容認できない」と話した。
以下ソース
https://www.cnn.co.jp/world/35231757.htm...
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