2025年8月18日、JPYCが資金決済法に基づく「資金移動業者」として登録され、日本初の円建てステーブルコイン発行が現実のものとなった。米国でUSDTやUSDCが国債市場を支える存在となったように、JPYCも日本国債需要の新たな担い手となり得る。本稿でその効能や決済の際に必要な法律と論点について解説する。
日本円建ステーブルコイン発行へ(出典:同社プリスリリースの表紙(2025年8月18日発表))
JPYC、日本初の円建てコイン解禁
JPYCは、2015年8月18日に、資金決済に関する法律(「資金決済法」)第37条に基づく「資金移動業者」(登録番号 関東財務局長 第00099号)に登録されたことを発表した。
これにより、国内で最初の、日本円と1:1で連動する電子決済手段(ステーブルコイン)を発行可能な資金移動業者となった。
同社は年内には実際のステーブルコイン「JPYC」の発行に着手するとみられているが、国内初の「円建てステーブルコイン」として承認されたことは、日本の金融・経済システムにおいて多方面へのインパクトをもたらす重要な転換点となる。以下に、その主な影響と課題を整理してみたい。
国債市場を揺るがす新通貨の衝撃
JPYC は日本円建てのステーブルコインであり、その裏付け資産には銀行預金や日本国債が含まれている。特に2025年の資金決済法の改正によって発行額の50%を上限に、元本を毀損しない形で(1)満期・残存期間3か月以内の日米国債や(2)中途解約が認められる定期預金による管理・運用を認められるようになった。
これにより、JPYC の発行増加によって日本国債の需要が高まり、流動性が向上し、結果として金利抑制や調達コスト低減につながる可能性がある。米国では USDT や USDC が米国債を大量に保有する「国債消化装置」となっているのと似た構図である。
JPYC の発行目標が「今後3年間で1兆円規模」とも言われており、これが現実化すれば日本国内の国債市場において重要な存在になるものと期待される。
銀行振込は厳しくなる? 秒速送金の現実
円建てステーブルコインの導入により、24時間365日、ブロックチェーンを介した決済・送金が可能になる。
銀行振込の時間やコストの制約を大幅に軽減し、個人・企業問わず利便性向上が期待される。
具体的には、越境EC事業者の決済コスト削減、フリーランスによる海外案件の即時決済、不動産業における家賃自動徴収システム構築、などの利用例が想定される。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e3eb1abc059eecb6ef2fb...
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