韓国軍はベトナム戦争で非武装の民間人を虐殺した疑いが持たれている。
2000年前後から韓国で問題にされるようになり、市民団体が和解に向けて現地入りするなど動き始めた。
遺族は謝罪を望むが、韓国政府が明確に虐殺を認めたことはない。
野党時代に真相究明を訴えた李在明氏が2025年6月に大統領になったことで事態打開に期待感も出ている。(共同通信ソウル支局=富樫顕大)
「母、兄、姉、祖母が殺され、私だけ生き残った」。2025年7月末、ベトナム中部の旧ビンホア村(現バントゥオン)の墓地。
交流事業で韓国から訪れた市民約20人を前にグエン・ティ・バンさん(60)が生い立ちを話して涙を拭った。
バンさんは、韓国軍に殺された犠牲者らが埋められた場所で、母の胸にしがみついて生き残っているのを発見されたという。(中略)
韓国政府の対応を巡っては革新系の文在寅元大統領らが虐殺に直接触れずに「不幸な歴史への遺憾」を述べたことがある。
一方、元参戦兵団体は虐殺疑惑に反発し、保守系の大統領は言及を避けてきた。
中部の旧フォンニ村(現ダナン)の一帯では1968年2月に74人が虐殺されたと伝えられる。
チャン・バン・ジェプさん(72)は隠れた建物の玄関を牛がふさいだため助かったと振り返った。
「戦争は人が死ぬが、韓国軍は住民を集めて殺した。あれは虐殺だ。韓国政府は認めなければいけない」と訴えた。
米軍の調査記録が残っており、グエン・ティ・タンさん(65)が2020年に韓国政府に損害賠償を求めて提訴した。
一審で勝訴したものの保守系の尹錫悦政権(当時)は「虐殺はなかった」と控訴。上告後、最高裁で係争中だ。
李大統領は就任後、前政権の閣僚らに「日本に(歴史問題で)謝罪を要求しているが、ベトナムへの加害を否認しているのか」とただした。
タンさんは、上告取り下げを期待し「村だけでなく、被害者全員を救って」と願った。
全文ソース
https://news.jp/i/134444403802023577...
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