>>26 Gemini Pro
なぜ「数メートルのコンクリート」がなくても、アポロの飛行士たちが無事に帰還できたのか、当時のデータと
物理的な背景から整理してみましょう。
「総量」ではなく「浴びる時間」の問題
放射線の影響を考える際、重要なのは「遮蔽物の厚さ」ではなく「その環境にどのくらいの時間いたか」という
累積線量です。
バン・アレン帯の通過:地球を囲む放射線帯を通過する際、アポロ宇宙船は時速約2万5000km以上の猛スピード
で駆け抜けました。
通過にかかった時間は1時間弱で、宇宙船のアルミニウム外壁で低エネルギーの粒子は遮断されたため、飛行士
が浴びた放射線量は医療用のレントゲン数回分程度に抑えられました。
月面活動:アポロの月面活動時間は、わずか2時間半ほどでした。数ヶ月数年単位で滞在するなら数メートルの
遮蔽、あるいは月の砂「レゴリス」を厚く盛必要がありますが、数日間の短期滞在であれば、当時の宇宙服でも
致命的な被曝を避けることが可能でした。
宇宙服は確かにコンクリートのような厚さはありませんが、多層構造によって特定の脅威をカットしていました。
宇宙服で防げないような高エネルギーの宇宙線については「太陽の活動周期」を計算して打ち上げ時期を選んで
いました。太陽フレアが激しい時期を避けることで致命的な被曝リスクを最小限に抑えていました。
「数メートルのコンクリート」が必要になるのは、主に以下のようなケースです。
原子力発電所:24時間365日、常に強烈な放射線を発し続ける場所。
火星移住計画:片道半年 滞在数年という長期にわたる場合。この場合は宇宙船に水槽を配置して遮蔽にしたり
火星の地下に住む計画が真剣に検討されています。
アポロ計画は、現代の安全基準から見れば「かなりリスクを冒した冒険」であったことは間違いありません。
当時の技術で100%安全を保証できたわけではなく、計算されたリスクの中で、太陽活動の静穏期に遂行された
プロジェクトだったといえます。
この「放射線と遮蔽」という観点は、将来の有人月面基地建設において、まさにコンクリート(月の砂を固め
たもの)が必要不可欠になるという議論に直結するポイントです。
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