●伝統の名門仏教までもが
仏教系のなかでも、西本願寺(浄土真宗本願寺派)と東本願寺(真宗大谷派)
は信者数が増えている。
この2つの宗派は、ライバルということなのか、競い合うように
報告する信者数を増やしてきた。
だが、他の宗派の状況から考えると、その数字は怪しい。
浄土宗なども、ここのところ信者数はまったく変わっていない。
これも、実態を反映していない可能性がある。
真言宗には、さまざまな派があるが、高野山金剛峯寺を中心とした
高野山真言宗の場合には、最近になって信者数をまったく報告しなく
なっている。
おそらく激減している状況を公にしたくないのだろう。
高野山の場合、四国遍路をまわり終えた遍路は、弘法大師空海にお礼のため、
最後にそこを訪れることになっている。
その遍路の数が、かなり減っているのだ。
それは、21番札所の大龍寺に行くためにたいがいの遍路が利用する
ロープウエイの利用者数に反映されている。
利用者のピークは1992年で年間約16万人だった。
それが、最近5年間、2014年から18年までの平均は7万8000人である。
半分以下に減っていることになる。
遍路の数が減れば、高野山にお礼参りにいく数も減る。
それは要するに、高野山真言宗の信者が激減していることを意味する。
●急減する新宗教、そして創価学会までも
より深刻なのは新宗教である。
幕末維新期に生まれ、戦前は最大の新宗教だった天理教は、平成の30年間に、
約175万人が約120万人になり、55万人減っている。
立正佼成会は、625万人が237万人と6割以上減り、最近でも、
毎年全体の1割程度が減っている。
霊友会も、315万人が122万人と200万人近く減っている。
PL(パーフェクト・リバティー)教団も、220万人が72万人と3分の1になってしまった。
PL学園の野球部が消滅してしまったのも、教団の衰退が大きいと言われている。
そこで最大の新宗教であり、また公明党を通して政治的な影響力もある創価学会はどうなのか
ということになるが、残念ながら、創価学会の会員数は、『宗教年鑑』に記載されていない。
創価学会は単立の宗教法人で、報告の必要がないからである。
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