「害」になってしまった柔軟剤の香り 教室にただよう化学物資、
1割が体調不良を経験…急がれる「香害」対策
香りに起因する「香害」が子どもたちの心身の健康を脅かしている。
20日に公表された初の全国調査によると、小中学生の1割が香害による
体調不良を経験。未就学児も合わせた体調不良経験者の4人に1人に
登園・登校を嫌がる傾向があった。衣料用洗剤や柔軟剤に含まれる香料の
人工化学物質が原因で、識者は「教育現場の早急な対策が求められる」と警鐘を鳴らす。
「そんな人はいない」と言われがちだが、実際にわが子は香害で学校に行けなくなった。
小中学生の2人の子を持つ40代の母親は「症状として湿疹や鼻血が出るようになった」と説明。
「柔軟剤を身にまとう30〜40人の児童が同じ教室で過ごせば、下校時には服や髪、
ランドセルなど何もかもに臭いが移っている。子どもが苦しむ声を受け止めてほしい」と語気を強めた。
「すでに多くの児童生徒が被害者」
調査は日本臨床環境医学会と室内環境学会が2024年度に実施。日本消費者連盟などでつくる
「香害をなくす連絡会」と超党派の地方議員による「香害をなくす議員の会」の両団体が
院内集会で内容を公表した。9都道県の21市区町村で、約8000人の小中学生、約2000人の
未就学児が対象。全体の8.3%が柔軟剤などの香料が原因で、腹痛や下痢、吐き気や頭痛、
関節痛などの症状が出たとしている。このうち4人に1人が登園や登校を嫌がっていた。
学年が上がるほど体調不良経験者の比率は増し、小中学生の合計は1割を超えた。
目立つのは「給食着を何とかしてほしい」という声。児童生徒が共有し、家庭の対策が難しいためだ。
調査に携わった明治大の寺田良一名誉教授は「体調不良とまではいかなくても、
不快に感じている子はさらに多く、すでに多くの児童生徒が被害者と言える。
勉強に身が入らなくなり、学習環境を損ねている」と指摘した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/43015... 関連記事「柔軟剤 香りで体調不良の相談増加なぜ?マイクロカプセルが…」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230801/k1001414778...
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