小学生に配られた“防衛白書”に波紋「職員室保管」の動きも
防衛省が、全国約2400の小学校に子ども版「防衛白書」を送付していたことが分かりました。
特定の国を名指しして防衛力強化の必要性を説いているほか、政治的に意見が分かれている
安全保障政策などについて、一面的な捉え方につながる可能性があるなどの指摘があり、
職員室などでの保管を決める自治体もあるなど、懸念や戸惑いが広がっています。
全国の小学校に約6100冊を送付
長崎市内67の小学校にも、ことし5月下旬、九州防衛局から直接冊子が送られてきました。
「まるわかり!日本の防衛 はじめての防衛白書2024」。防衛省が作っている「防衛白書」を
子ども向けにしたもので、2021年から毎年作られネット上で公開されています。
学校への送付は今年度が初めてです。
冊子は【1、なぜ自衛隊は必要なの?】という問いから始まっていて、戦争を防ぐためには
「抑止力」が大切と強調、例としてウクライナがロシアに攻め込まれた理由の一つを
「防衛力が足りなかった」としています。
【2、日本の周りで何が起きているの?】という項目では、中国、北朝鮮、ロシアの
3カ国をあげて軍事的な懸念を説明し「日本が位置する地域は安全とはいえません」と説明。
【3、日本はどうするの?】に進み、「反撃能力」をカギとする防衛力強化に必要なミサイルや設備、
戦い方、費用などを、図や写真をもちいて分かりやすく説明しています。
長崎市はこの冊子について、特定の国に関する記載があることなどから
職員室などで保管するよう学校に連絡しました。
長崎市教委 学校教育課・荒木俊明課長:「長崎市内の学校には、様々な国々にルーツを持つ子
どもたちも在籍している。傷ついてしまう児童が出てくる可能性もあるので、配慮を要する
のではないかと考え、職員室か校長室で一旦保管し、確認している」
長崎県によりますと、防衛省九州防衛局から県基地対策・国民保護課に対し「学校に冊子を配りたい」
「教育庁に説明に行きたい」という依頼があったことを受け、2025年3月21日、長崎県庁で九州防衛局
地方協力確保室の室長ら2人と義務教育課の職員らが面会したということです。
その席で「既にホームページに掲載しているが、自衛隊の活動を広く正しく周知したい」
「年度初めに各小学校に10冊ずつくらい配布をしたい」との依頼があったということです。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/nbc/204171...
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